2015-06-13

自宅兼事務所を設計するときに大事な、プライバシーとコミュニティーの関係

プランと外観を並行して検討をすすめています。
前回のプラン検討でかなり詳細まで詰めたものの、プライバシーとコミュニティの関係を考えてもう一度変更することにしました。

予定では6月中(遅くとも7月中)にプランの完成まで行きたいと考えていますので今から変更することは大変なのですが、じっくり検討した結果やり直した方が良いという結論になりました。

<再検討した結果>

 

スクリーンショット 2015-05-21 11.06.06

 

以前はこのような形になっていましたが、

検討後(といってもさらにやり直す可能性もありますが、、)はこうなりました。

上空より

少しイメージが変わったという事がわかると思います。

この図面は手前が北側になります。一番の違いは、設計事務所が左から右に移動しました。(東から西に移動しました)

また、2階部分が右から左に移動しました。(西から東に移動しました)
1階が赤色2階が青色で表現されています。

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電柱の右側(西側)に道路と面した小さな土地があるのですが、こちらが民地になっておりお借りしました。

モザイクが掛かっているのでわかりにくいのですが、浜松にある有名なお寺の参道入り口を示すもので、長い歴史のある石碑ということでした。

(1311(応長元)年に開創されたお寺で、江戸時代はこの通りがちょうど東海道ということもあって、旅人が参拝するためにこの石碑を目印に参道に入っていきました。参道は桜並木が続き当時は美しかったそうです。)

現在は更地にポツンと建っているだけですが、その場に立って想像してみました。この前面道路が東海道です。通りは旅人でにぎわっています、道路沿いには商店や飲食店があって現在の繁華街のようになっています。多くの人が東海道からこの参道に入って参拝をしています、、、。

そういった歴史的背景、景観、存在を守りたいと思いました。現在は参道は生活道路になっています。

 

<西側からどのように見えるのでしょうか?>

 

上空より - コピー

その西側道路(参道)からどのように見えるのかイメージしてみました。緑で囲った部分になります。

 

北西より

歴史的背景を考慮し、西側のファザードデザインという意味でイメージしました。

生活道路だから、おばあちゃんが散歩やお母さんが買物とかに行くときに通る道路です。西-北面に空間を設けることで、東海道を渡るときの見通しを考慮しました。まず道路を渡る人の安全という面を考慮する必要があります。

さらに、少し引っ込むことで設計事務所のイメージが少し和らぎます。敷地境界に建っているよりは少し引くことで事務所の前にはスペースを設けています。「welcome」の印象を持ってもらえると考えました。

石碑と事務所の共存も考えてデザインすることで、今よりもいい景観にすることができると思います。

 

 <東側からどのように見えるのでしょうか?>

 

上空より - コピー (2)

次に東側道路(反対側)からどのように見えるのかイメージしてみました。緑で囲った部分になります。

北東より

東側は駐車スペースになります。北側はプライバシーを確保する意味で格子を入れようと考えています。全体のプライバシーを考慮しました。

交通量の多い道路ですから、目立ちます。プライバシーも考慮しつつ設計事務所であることもアピールしたいと思います。

看板

格子の部分と「marikodesign」の看板をうまく配置することで看板が美しく見えるようにするとともに、プライバシーの確保も確立したいと思います。

 

<まとめ>

 

西側の民地にある石碑をどのように見せるかが、再検討のスタートだったと思います。

歴史的背景もありますが、西側のファザードデザインという意味で、生活道路だから、おばあちゃんが散歩やお母さんが買物とかに行くときに西-北面に空間を設けることで、解決できると考えました。

この土地は住宅密集地じゃないけど北側の交通量が多く敷地の4方向から外部の視線を感じる特徴があるので、プライバシーを確保して自分たちが快適に過ごせるかを最初は考えました。

しかしプライバシーが確保されすぎで、中の人がどんな生活をしているのか見えないのは存在をイメージしてもらいにくいと思いました。

もっと身近な存在で地域のコミュニティーに入って行けるようにしたい。地域の人たちが新しい住人とのとっつきやすさを感じられることが必要だと感じました。

タイトルにもあります、「プライバシーとコミュニティの関係」という意味でどれくらいと閉じて、どれくらい開くかが大事だと思いました。

前回のプランではあの敷地では閉ざされすぎていたと思います。外の人が見たときに、どう感じるかを考えました。

敷地や、周辺環境を読み取ってプランをじっくり検討するということが重要です。

弊社では、このようにじっくりと何度も検討して結論を出すようにしていく方針です。設計事務所だからこそ設計するという部分にこだわりをもって取り組んでいきたいと思います。


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中村まり子

代表取締役/一級建築士まりこ建築デザイン株式会社
一級建築士。浜松市内の建築設計事務所、浜松日建工科専門学校教員を経て、2015年4月に「まりこ建築デザイン株式会社」を設立。充実した人生(Quality of Life)を過ごしてもらえる建物を提案したいという想いで設計業務を行っています。プライベートでは2児の母、趣味はクラリネット演奏。
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